節約FPのトクトク日記

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新入社員だけじゃない! 意外と知らない給与明細や源泉徴収票の見方をFP1級技能士がわかりやすく解説

 

こんにちは、FP一級技能士マナブです。4月から新生活をスタートされた方もだいぶ落ち着いてきたのではないでしょうか? 新社会人の皆さんには、初めての給料が支給されますがいったいいくらぐらいもらえるのか不安と期待でドキドキだと思います。

「給料は会社案内に書いてあったからわかっているよ」という方も、実際に給与明細書を見てみると思っていた金額と違うなんてことはよくあることです。

そこで、今回はFP1級技能士が給与明細書と源泉徴収票の見方を解説していきます。

計算方法や見方があまり知られていない税金や社会保険料など自分の給与の中身をしっかり把握するためにも新入社員以外の方も、ぜひ見方を覚えてチェックしてください。

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なんでこんなに引かれるの? 「額面」と「手取り」の違い

基本給や振込額はいくらか知っていても、手取りがいくらになるのか、何にいくら引かれているかは意外と知らない人が多いものです。給料からは主に税金(所得税・住民税)、社会保険料(健康保険・厚生年金保険・雇用保険等)が天引きされています。「総支給額(額面)」と「差引支給額(手取り)」に差があるのは、これらが控除されているからです。毎月もらう給与明細書には、支給される額の内訳や控除される額の内訳等が記載されていますので、毎月確認する習慣をつけましょう。

 

差引支給額(手取り)=総支給額ー総控除額

 

毎月の給与は、支給項目から控除項目を差し引いて計算されます。主な支給項目と控除項目の内容は次のとおりです(給与明細書の書式は企業ごとに設定されています)

 

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(例:会社員の場合)

支給項目

基本給と諸手当で成り立っています。基本給は、給与の基本部分でボーナスの査定や退職金の計算などをする際のベースにもなります。諸手当には役職手当・資格手当・家族手当・住宅手当などの固定的給与(原則として毎月同じ金額)と時間外労働手当・休日労働手当・深夜労働手当などの変動的給与(金額は出退勤状況により毎月変動)があります。

 

控除項目

法定控除項目として社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・介護保険料等の総称)と税金(源泉所得税・住民税)があります。

①健康保険料

本人や家族が、病気・ケガなどで診療を受ける際に、一定割合のみで医療を受けるために支払う保険料です。

 

②厚生年金保険料

法律で定められている所定の年齢に達した時に、年金の支給を受けるために支払う保険料です。

 

雇用保険

主に退職をした時に、次の仕事が見つかるまでの間、ある一定の条件下で受給を受けられる失業保険などのための保険料です。

労災保険流用は事業主が全額負担し、従業員は負担する必要がありません。

 

介護保険

一定の要介護状態になった時に介護サービスを受けるために、40歳以上になると納めることになる保険料です。健康保険料と同様に給料やボーナスから徴収されます。

 

⑤源泉所得税

総支給額から社会保険料の合計額を控除した金額(課税対象額)を基礎に算定します。毎月引かれている所得税は過不足が年末に調整され、払い過ぎていた分は還付されます。

 

⑥住民税

健康保険料などと同様に給料から徴収されます、ただし、ボーナスからの徴収はありません。

住民税は前年の所得に基づきかかるため、新入社員の場合は2年目より天引きされます。

 

年間所得と控除額の確定を知らせる「源泉徴収票

源泉徴収票では、1月1日~12月31日までの給与の総額、年末調整により確定した各種控除の額などがわかります(源泉徴収票は全国共通の書式となっています)

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①支払金額

1年間の給料と賞与の合計額で、手取りではなく額面を表し、いわゆる年収に当たります。なお、定期代等の非課税通勤費が給与と一緒に支給されていてもこの額には含まれません。

 

②給与所得控除後の金額

「支払金額ー給与所得控除額」で計算されます。給与所得控除とは、いわゆる「必要経費」にあたるもので、会社員の場合は給与等の収入金額に応じて一定の式で算出します。

 

〈給与所得控除額速算表〉給与等の収入金額が660万円未満は概算となります。

給与等の収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
162.5万円以下 550,000円
162.5万円超 180万円以下 収入金額×40% ー    100,000円
   180万円超 360万円以下 収入金額×30% ー      80,000円
   360万円超 660万円以下 収入金額×20% ー    440,000円
   660万円超 850万円以下 収入金額×10% ー 1,100,000円
   850万円超 1,950,000円(上限)
 社会保険料等の金額

健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料等の合計金額になります。

 

④生命保険料の控除額

生命保険用や個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。制度全体における所得税の所得控除限度額は12万円となります。

 

 〈新制度での生命保険料控除額〉

 

所得税

住民税

区分

年間払込保険料額

控除される金額

年間払込保険料額

控除される金額

一般生命保険料

介護医療保険

個人年金保険

(税制適格特約付加)

20,000円以下

払込保険料全額

12,000円以下

払込保険料全額

20,000円超

40,000円以下

(払込保険料×1/2)

+10,000円

12,000円超

32,000円以下

(払込保険料×1/2)

+6,000円

40,000円超

80,000円以下

(払込保険料×1/4)

+20,000円

32,000円超

56,000円以下

(払込保険料×1/4)

+14,000円

80,000円超

一律40,000円

56,000円超

一律28,000円

 

〈旧制度での生命保険料控除額〉

 

所得税

住民税

区分

年間払込保険料額

控除される金額

年間払込保険料額

控除される金額

一般生命保険料

個人年金保険

(税制適格特約付加)

25,000円以下

払込保険料全額

15,000円以下

払込保険料全額

25,000円超

50,000円以下

(払込保険料×1/2)

+12,500円

15,000円超

40,000円以下

(払込保険料×1/2)

+7,500円

50,000円超

100,000円以下

(払込保険料×1/4)

+25,000円

40,000円超

70,000円以下

(払込保険料×1/4)

+17,500円

100,000円超

一律50,000円

70,000円超

一律35,000円

 ⑤生命保険料の金額の内訳

2012年以降に契約し当年に支払った「介護医療保険料の金額」、2012年以降に契約し当年に支払った「新個人年金保険料の金額」「新生命保険料の金額」2011年以前に契約し当年に支払った「旧個人年金保険料の金額」「旧生命保険料の金額です。「生命保険料の控除額」がある際に、それぞれ記載されます。

 

⑥所得控除の額の合計額

税額を計算する上で控除される、社会保険料控除、基礎控除(本人控除分)、配偶者(特別)控除、扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寡婦控除などの合計が、「給与所得控除後の金額」から控除されます。

 

源泉徴収税額

「②給与所得控除後の金額」から「⑥所得控除の額の合計額」を差し引いた額(課税所得)に税率を乗じて算出します。記載例で計算すると(3,560,000円ー920,000円)×10%ー97,500円=166,500円となります。

 〈所得税の速算表〉

課税される所得金額

税率

控除額

195万円以下

5%

0円

195万円超    330万円以下

10%

97,500円

330万円超    695万円以下

20%

427,500円

695万円超    900万円以下

23%

636,000円

900万円超 1,800万円以下

33%

1,536,000円

1,800万円超 4,000万円以下

40%

2,796,000円

4,000万円超

45%

4,796,000円

 

 確定申告での医療費控除・寄附金控除について

医療費控除や寄附金控除などを受けると税金が戻ってくること(還付)があります。そのためには、確定申告が必要です。勤務先などで実施される年末調整では控除を受けることはできませんのでご注意ください。

 

各種控除の申請と控除額の計算例

医療費控除

本人と生計を同じにする配偶者やその他の親族のために支払った医療費(毎年1月1日から12月31日までの分)がある場合には、原則として翌年3月15日までに確定申告をすると医療費控除が適用され、税金が還付されることがあります。確定申告書(税務署等で入手)に必要事項を記入し、源泉徴収等と医療費の明細書(領収書貼付)を税務署へ提出すると、4月から5月頃に指定口座へ還付されます。

 

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例えば、課税所得金額が500万円の人が、その年の自己負担分として100万円かかり、生命保険からの入院給付金が30万円あった場合の医療費控除額は100万円ー30万円ー10万円=60万円となります。還付金額は医療費控除額60万円×所得税率20%=12万円です。

医療費控除の特例としてセルフメディケーション税制(スイッチOTC医療品控除)の適用を受けることができます。従来の医療費控除と併用はできず、どちらか一方のみの選択となります。

 

寄附金控除

国や地方公共団体特定公益増進法人などに対して「寄付」を行なった場合には、「寄附金控除」という所得控除が受けられます。なお、政治活動に関する寄付金、認定NPO法人等に対する寄付金、および公益社団法人等に対する寄付金の中には、所得控除ではなく、税額控除を選択できるものもあります。所得控除と税額控除のどちらを選択したほうが有利かは、その支出した寄付金の金額や、その人の所得金額によりますので、下記の方法で計算してみてください。

「所得控除」適用の場合

寄付金額(総所得金額等の40%相当額が限度)ー2,000円=寄附金控除額

「税額控除」適用の場合

(寄付金額(総所得金額等の40%が限度)ー2,000円)×40%=寄付金特別控除額(所得税額の25%相当額が限度)

 

 ふるさと納税

一般的に自治体に寄附をした場合には、確定申告を行うことで、その寄附金額の一部が所得税及び住民税から控除されます。ですが、ふるさと納税では原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となります。

 

社会保障における「若年層の負担」のこれから

現在の社会保障制度の仕組みは「世代間の支え合い」が基本となっています。年金制度は、現役世代が支払う保険料を使ってその時点の受給者へ給付されます。また、医療制度についても、高齢者の費用の多くを現役世代が賄っているのが現状です。今後さらに少子高齢化が進めば、高齢者を支える現役世代の労働人口が減少する一方で、高齢者による年金・医療の受給者が増加していきます。当然、税金・社会保険料などの国民一人当たりの負担率は一層重くなっていきます。現在、年金や医療などの社会保障制度において「生まれた世代ごとに受益と負担が大きく異なり、若年世代ほど不公平である」という世代間格差が大きな問題となっています。社会全体でいかに若年世代の負担を減らすかを考えなくてはならないと同時に、個人としてもしっかりとしたライフプランが重要になっていると言えるでしょう。

 

ご質問やご意見等ございましたら、コメント欄、お問い合わせページ、Twitterにてお知らせください。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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