【初心者向け】0から始めるFIREチャレンジ 基礎編⑥ 〜50歳代でのFIRE達成を考える 〜
FIREは公的年金を受け取るまでの期間で目標額が変わる
60歳より前のFIREを計画する場合、ポイントとなるのが公的年金を受け取るまでの期間と、国民健康保険料の納付期間がどれくらい残るかです。
収入面は、65歳から公的年金の受け取りが開始するので、65歳以降の収入は年金収入が加算されます。
しかし、早すぎる退職は老齢厚生年金の場合、加入期間が短くなるので、受取額は少なくなってしまいます。
年金受取額の目安
加入期間 |
老齢厚生年金(会社員) |
||||
平均標準報酬額 |
|||||
20万円 |
30万円 |
40万円 |
50万円 |
60万円 |
|
10年 |
約14万円 |
約19万円 |
約26万円 |
約32万円 |
約39万円 |
20年 |
約26万円 |
約39万円 |
約52万円 |
約65万円 |
約79万円 |
30年 |
約39万円 |
約59万円 |
約79万円 |
約98万円 |
約118万円 |
40年 |
約52万円 |
約79万円 |
約105万円 |
約131万円 |
約157万円 |
(計算式)
老齢厚生年金=平均品標準報酬額(ボーナス込みの給与平均)×0.005481×加入月数
生年月日が1946年(昭和21年)4月2日以降の方の標準比例部分の乗率
老齢厚生年金は、加入時期は考慮せず一律に0.005481の乗率で計算
加給年金、経過的加算などは考慮していない
50歳代でのFIREは、60歳までの支出が増え、65歳からの収入が減ります。
例えば、50歳でのFIRE達成を目標にすると、厚生年金加入期間は約30年です。
仮に平均標準報酬額40万だとしても、厚生年金の受取額の目安は約79万円です。
さらに、50歳で退職すると、生活費に国民年金保険料をプラスしなければなりません。
令和4年度の国民年金保険料は16,590円なので、年間約20万円の支出が増えます。
50歳代でのFIREも、早期退職と年金の関係を詳細にシミュレーションしておく必要があります。
退職金の有無で目標金額は変わる
40歳代でのFIREを計画する場合は、勤続年数も短く退職金制度があっても早期退職の場合は減額があったりするので、あまり退職金を期待できませんが、50歳代でのFIREだと勤続年数も30年超となり1,000万円以上の退職金が見込めるかもしれません。
さらに、50歳代は早期退職勧奨制度の対象になる会社も多く、早期退職で退職金が上乗せされるケースもあります。
最も有利な条件になる時期を調べ、そのタイミングでのFIRE達成を目標にチャレンジしてみてもいいのではないでしょうか。
セミFIREだと十分実現可能な50歳代のFIRE
50歳代の場合、管理職だったり役職の方も多いでしょう。しかし、一方で定期昇給がストップしたり、給料が高いが上のリストラ候補になることも考えられないことはありません。
もちろん今の仕事に不満がない場合は、仕事を辞める必要はありませんが、いつかは定年退職の時期が来ます。自分自身で仕事人生の終わらせ方を決められるようにするためにも50歳代でのFIREチャレンジはとても意義があります。
50歳代であれば、気力も体力も充実し新しいことにチャレンジするのにも遅くはないはずです。子供も大きくなり夫婦2人の生活に移行する方も多くなります。
本格的な老後を迎えるためにも、仕事以外で夢中になれるようなことを見つけておくことも人生を豊かにすると思います。
完全なFIREを目指すよりも、趣味の延長や負担にならないくらいの仕事量で収入を得るようなセミFIREであれば十分実現可能なのが50歳代でのFIREです。
50歳代FIREのメリット
50歳代というと気力も体力も十分な年代です。子育てもひと段落し、自分自身のことや夫婦の今後について考える時期かもしれません。
学生の頃に夢中だったこと、本当はやりたかったけど妥協して就職してしまい後悔していることなどを再チャレンジできる年代かもしれません。
教育費や住宅ローンの目処がつくなど、FIREチャレンジとは関係なく老後資金の準備が必要な時期です。目的もなく貯蓄を始めるより、本当にやりたいことを叶えるためなら貯蓄のモチベーションも維持できるのでないでしょうか。
50歳代FIREのデメリット
デメリットは特にありません。
まだ子供が小さい場合や、親の介護など家族構成や環境によっては、資金面で60歳代でのFIREを想定したチャレンジになる場合があります。
ただ、老後2,000万円問題と言われるように、50歳代は老後資金の準備も必要な時期です。FIREチャレンジに関係なく、人生で老後の準備ができる最後のチャンスかもしれません。
理想は、50歳でのFIREを目指しチャレンジすることですが、結果的に60歳でのFIREになったりFIRE達成できなくても、十分な老後資金が確保でき老後2,000万円問題も解決できているのではないでしょうか。
FIREチャレンジは簡単ではありません。専門家にアドバイスをもらうこともFIREチャレンジを成功させるポイントです。
FIRE達成にかかわらず、こうしたお金の流れを知ること自体が、選択肢を広げ、豊かな人生を送れるのではないでしょうか。
人生100年時代といいますが、我慢して生きるほど人生は長くありません。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。