お金の勉強をしないと知らずに損しているかも!? FP1級技能士が「最低限知っておきたいお金の情報」を紹介します。①社会保障の概要
僕が学生の頃は、お金に課する授業などはなく、社会人になると給料明細の見方もわからず、口座に振り込まれている金額が当たり前と思い、貯金も知り合いに言われるがまま何も気にせず貯金していました。
しかし、現在はさまざまな金融商品が溢れるとともに、勉強しなければ正しい商品選択ができなくなってきました。
学校の授業でも、年金やお金に関する授業が始まり学習指導要領の改定により、2022年度からは高校の家庭科の授業で金融教育が行われます。
FP1級技能士が、知らずに損することがないように、最低限知っておきたいお金の情報を紹介します。
最低限度の生活補補償する「社会保障制度」の機能
普段はあまり気になりませんが、ケガや病気での通院、失業や親の介護など個人の力だけで備えることに限界がある生活上のリスクに対して、日本には、手厚い保障やさまざまな支援があります。
社会保障の機能としては、主として①生活安定・向上機能、②所得再配分機能、③経済安定機能の3つがあげられます。
これらの3つの機能は、それぞれが独立しているわけではなく相互に重なり合っていることが多くあります。
社会保障は実際にどのような機能を果たし、私たちの暮らしにどのような効果を及ぼしているのかを見ていきましょう。
社会保障の「生活安定・向上機能」
社会保障の機能の1つ目は、日常生活で万一のことがあっても、安心して生活できるようにする「生活安定・向上機能」があります。
例えば、病気やケガの場合には、健康保険により一般的には3割の自己負担で病院を受診することができ、老後には老齢年金や介護保険医より安定した生活を送ることができます。
失業した場合には、雇用保険により失業給付が受給でき、仕事中にケガや病気をした場合には、労災保険により自己負担なしで受診できます。
子育てや家族の介護が必要な場合でも継続して仕事を続けられたり、給付金を支給することで安心して生活できるように支援しています。
生活安定・向上機能 生活のリスクに対応し生活の安定を実現するもの |
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病気やケガ |
業務中の病気やケガ |
失業 |
老後 |
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健康保険 |
老齢年金 |
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社会保障の「所得再分配機能」
社会保障の機能の2つ目は、所得を個人や世帯間で移転させることにより、国民の生活の安定を図る「所得再分配機能」です。
具体的には、所得の高い人はより多くの税金や社会保険料を納め、所得の少ない人は、より少ない税金や保険料負担で社会保障の給付を受けることができるので所得の格差を緩和する効果があります。
生活の困窮 |
老齢・障害・死亡に伴う所得の減少 |
児童福祉・障がい者福祉等 |
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生活保護制度 |
年金制度 |
医療サービス・保育等の現物給付 |
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社会保障の「経済安定機能」
社会保障の機能の3つ目は、景気変動を緩和し、経済を安定させる「経済安定機能」があります。
例えば、雇用保険制度は、失業中の収入低下を補うだけでなく、収入減による個人消費の減少を抑制し景気の落ち込みを抑える効果もあります。
また、公的年金制度のように、継続的に一定の金額が支給される制度は高齢者等の生活を安定させるだけでなく、不景気でも消費活動を促し経済を安定させる効果があります。
困った時は支援を受けられるという、安心感があることによって、個人消費の動向を左右する消費者マインドを過度に萎縮させないという経済安定の効果があるといえます。
日本には、困った時に支援してくれる「社会保障制度」があります。
今回は社会保障制度の概要を紹介しました、次回以降は、困ったときに社会保障がどれくらい受けられるのかをテーマ別に紹介していきます。
生活上のリスクが発生した場合に、公的保障でカバーできない部分を自己負担でカバーしなければいけない場合があります。
生活上のリスク回避の相談は「お金のプロ」ファイナンシャルプランナーにご相談ください
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。